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「わかった」と「納得した」との違い

常々そう思っているのですが我々は患者さんに説明をしてそれを患者さんが理解してくれたという判断をする根拠は患者さんに「わかりましたか?」と聞いて「わかりました」というお答えを頂いた時である。

 

でもこれは患者さんが我々の説明内容が理にかなっているというような判断をした時や、理屈は理解できたという時の反応であるという事を我々医師サイドが理解できていないために不幸なことが起きるという事を、すごく最近感じる次第であります。

 

素人の患者さんに医学的な事案をご理解いただくのに、とても大変であることは確かです。

 

その為にいろんな模型や模式図を持参しもちろん科学的な根拠であるレントゲンなどはもちろんですが、ご説明をします。

 

でも患者さんはいくら頭でわかっていても納得できなかったり、いやほかの方法はだめなんでしょうかと言いたくても相手が歯医者だと聞くに聞けない抑圧的な環境下に置かれているわけで、そういう質問をすることが難しいのが患者さんの本音かと思います。

 

ですから私はできるだけ患者さんに「猶予」を与えるようにしています。

 

この文言も強圧的で嫌ですが、要は患者さんに自由な選択権と拒否権を与えてあげたいのです。

 

今日も他院で治療して違和感が残る方が来られました。再治療をした方がよさそうですがすでに多額のご費用を払って作った歯とのこと。

 

かなり患者さんは逡巡しており、きちっと説明してそれこそ頂いた質問には丁寧にお答えし、どうやらご納得を頂けるところまで話をしました。

 

でもその途中過程においては、いくらでもゆっくりと考えていいんですよと言いながらでした。

 

やはり患者さんへの説明とは大変難しいものだと改めて感じさせられます。