· 

歯牙破折

「歯牙破折」とは何でしょうか?

 

簡単に言えば歯が割れたという事です。

 

ただこの事象はかなりレア―ケースなのです。

 

ご存知のように神経の無い歯(無髄歯)は神経のある歯(有髄歯)と比較して割れたりかけたりする率は相当に多いです。

 

現に年に数件は経験します。

 

でも有髄歯が割れることはかなり、かなり珍しいです。

 

先日痛みが消えず、痛いときは上も下も痛いと言って来院された患者さんが来られました。

 

本人は場所も何もわからなくて、「とにかく痛いんだ」というばかりで、視診や歯ぐき、歯に大きな特徴的な所見は見受けられませんでした。

 

一番奥の歯の溝が少しザラツキ感があるなあというくらいで。

 

とりあえず薬をお出しして数日様子を見てもらう事にしましたが、薬がなくなった頃に痛みがひどくなったという事で来院されました。

 

見てみると一番奥の歯が手前から奥にかけて中心部分が破折していました。

 

そう、以前ザラツキ感があり、少し溝が深いかなあと感じていた、まさにその場所です。

 

この歯は「有髄歯」でした!

 

これほど多くの患者さんを診ている私でも年に1人来られるかどうかの珍しい病状でしたので、診断に苦慮しました。

 

一応歯は抜かないでできないか、現在治療中です。

 

残念ながら神経はお取りしました(エソ状態でした)

 

臨床は難しいです。