歯周病は、歯科治療の重点科目として取り扱うべきものです。というのも、歯周病は自覚症状を伴いにくいわりに、成人の方が歯を失ってしまう原因のトップを占める病だからです。歯周病治療では、早期治療、早期発見が何より重要となってきます。当院の歯周病治療、3つのこだわりをご紹介します。
当院では、歯周病の治療が後手に回らないようにするために、検査・検診を徹底しています。
定期検診では、必ず「歯周ポケットの深さ」を測定し、歯周病が疑われる場合には、担当の歯科衛生士をお付けして徹底的に早期治療に努めています。
歯周病は、虫歯と違い痛みを生じにくく、自覚しにくい病ですので、痛みがなくても定期的に歯医者さんで検診するようにしてください。
生活習慣などのヒアリングも実施させていただき、虫歯や歯周病にかかってしまうリスクなどもお伝えしています。
歯の表面や歯と歯の隙間、歯と歯茎の間の歯垢や歯石を徹底的に取り除くため、当院では2種類のスケーラーを使い分けます。
超音波式のスケーラーは、短時間で広範囲の歯石除去が可能ですが、細部へのケアがどうしても行き届きません。このため、手動のスケーラーで細部へのケアも徹底し、双方の弱点を置ぎ合いながら、取るべき時間を惜しまず、お口環境の最適化を実現していきます。スケーラーの特徴は次のようなものです。
超音波スケーラー
超音波で細かく振動し、その動きでより広範囲の歯垢や歯石を短時間で除去できるものです。反面、細部においては汚れを取り残してしまう可能性もあります。
手動ハンドスケーラー
手動で歯垢や歯石を取り除くものです。超音波式のものと比較し、処置に時間はかかりますが、お写真のような細かな部位の対処には、なくてはならないものです。
検診結果で歯周病をお告げしても、腫れや出血が過度でない場合、あまり重大な病として意識されません。このため、当院では、ただ結果をお告げして治療をご提案するのでなく、歯周病を引き起こしてしまったと考えられる原因もお伝えし、今治療せずに放置するとどのような危機が迫るのかについてもご案内しています。
歯を失ってしまう怖い病であることを、患者さん目線でわかるようにお伝えし、後々後悔されることのないように配慮しています。
驚かれる方も少なくありませんが、日本人の約8割の方は歯周病にかかっていると言われています。程度の差はあるものの、軽度歯周病も加味すると、10人中8人の方は治療を行なうべき状況にあるということです。なぜ、これほどまでの感染率で高止まりしているのかと言えば、一つには自覚症状がでにくいことと、もう一つは歯科検診の習慣を持つ日本人が少ないということが考えられます。
このため、歯科先進国の北欧のように、お年を召されても20本の天然歯を維持できている日本人は非常に少ないのが実情です。どうぞ、定期検診の習慣をお作りください。早期発見で対処すればするほど、未来に歯を失ってしまう可能性を回避できます。
歯周病と糖尿病、これらは初期段階で自覚症状を伴いにくく、また発見が遅れて重症化してしまいやすいという点で、多くの類似点があります。さらに、歯周病と糖尿病は、実はお互いに悪い影響を与えあう「悪しき交友関係」という側面も持っています。よって、両方の病とも、できる限り早く気づいて早期対処をし、負のサイクルを生んでしまわないように心がけることが大切です。
歯周病菌は歯茎内の血管から体内に回り、インスリンの働きを阻害し、糖尿病が悪化しやすい状況を作ります。また、高血糖はお口内で歯周病菌が繁殖しやすい状況を作ってしまいます。このように、負のスパイラル構造持つ2つの病ですが、逆の発想を使えば、歯周病を改善させることで、糖尿病の症状が緩和される可能性もあります。
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事前の検査として、歯と歯茎の間の溝「歯周ポケット」と呼ばれる箇所の深さを測定します。これにより、歯周病症状の進行度合いが判断され、それぞれのステージに合わせた適切な治療法が選択されます。
軽度歯周炎の治療法(歯のクリーニング)
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歯周ポケットが3mmから5mm程度未満の場合で、歯槽骨がほとんど影響を受けていないような場合には、数回程度歯医者さんにお越しいただき「歯のクリーニング」を実施することで治療が完結します。 歯や歯茎の隙間の歯垢や歯石を除去することで、歯茎の腫れや出血は治まり、ハリのある歯茎を取り戻すことができます。 |
中等度歯周炎の治療法(ルートプレーニング)
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歯周ポケットが4mmから7mm程度の状態で、歯根の半分くらいのところまで歯周病菌が侵食しているような場合「ルートプレーニング」と呼ばれる治療を実施します。 特殊な専用器具を用いて、歯周ポケット内の奥深くにこびりついた歯垢や歯石を除去します。 出血や痛みも伴う治療行為ですので、麻酔をした上で治療を実施します。 |
重度歯周炎の治療法(外科処置/歯周再生療法)
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歯根の半分以上の深さにまで歯石がこびりついてしまうと、ルートプレーニングでも対処できなくなります。このまま放置すると、骨が溶け、歯が抜けてしまうという極めて危険な状態です。治療としては、麻酔をかけ、外科的に歯茎の一部を切開します。完全に歯の根元部分が見えるような状態にして歯石を徹底除去し、再度患部を縫合するという治療になります。場合により、歯肉周辺組織を再生させる「歯周再生療法」なども取り入れます。 |
ご覧のように、歯周病は自分では気づきにくく、放置すると歯を失ってしまうという非常に危険な病です。今現在歯茎の状態に自信が持てない方、最近歯磨きをしていて出血するようになった方など、ぜひ一度当院までご相談ください。ベテランの歯科医師と歯科衛生士が皆さんのお口環境を徹底的にケアさせていただきます。