「痛い、削る、抜く」をできるだけ回避し、歯の神経部分の治療精度を高め、天然の歯を残す保存治療を追求しています。削ることを抑え、抜くことを回避することで、お身体への負担が抑えられた低侵襲治療(ていしんしゅうちりょう)が実現します。痛い虫歯治療、安易な抜歯の選択はもはや過去の歯医者さんです。当院は最新の歯科医療を取り入れながら、患者さんに負担の少ない診療を行っております。
当院は、歯科治療の痛みを回避する手段として、6つの方法を取り入れています。感じる痛みにも個人差があり、完全な無痛とまではいきませんが、可能な限り痛みを回避できるように取り組んでいます。当院の痛み回避へのこだわりを6つご紹介します。
① 表面麻酔による歯茎への配慮
歯科治療で麻酔を受けた後はほとんど痛みを感じませんが、麻酔を指す時に痛みを生じてしまう可能性があります。当院は、まず歯肉に塗るタイプの表面麻酔を行ない、歯茎が麻痺した後で麻酔針を指しますので、刺す痛みを回避できます。
② トップレベルの極細注射針(31G)
一般的に注射針の針の太さは、G(ゲージ)という単位で示されます。数字が多きくなるほど針は細くなりますが、当院は、31Gという極細の注射針を使用していますので、そもそも麻酔針が歯茎に刺さる時の痛みが生じにくくなっています。
③ 麻酔液の温度への配慮
普段冷蔵保存されている麻酔液をそのまま歯茎に注射すると、冷たさが歯茎への痛みとなって伝わる場合があります。当院では、まず麻酔液を専用のウォーマーで人肌レベルにまで温め、その後に麻酔注射を行ないますので、温度差による痛みが生じません。
④ 拡大鏡での精密な低侵襲治療
当院では、治療の様々な場面で拡大鏡を使用し、患部を拡大させて見ることで、可能な限り行き過ぎた削りや抜歯を回避しています。このようなお体への影響を極力抑えた「低侵襲治療」の追求により、痛みの生じる確率自体も低く抑え込めています。
⑤ 痛みが生じにくい麻酔針の刺し方
麻酔注射を打つ時の角度や打ち方、歯肉への圧力のかかり方なども、麻酔時に痛みを生じさせる要因です。注射針をお口の粘膜にあてがうようにして、優しく麻酔液を注入すれば、痛みを生じないプロフェッショナルな打ち方が実現できます。
⑥ 予防歯科の推奨
歯科治療で痛みを生じにくくする最も効果的な方法は、そもそも虫歯や歯周病にかからないようにすることです。定期的な歯科検診の習慣をお作りいただき、予防歯科を念頭に歯医者さんに通うようにオススメしています。
虫歯菌や歯周病菌に感染している状態の歯ですので、どこも削らずに治療を行なうことは不可能です。それでも医療器具や治療法も進歩し、できる限り削らずに治療を終える方法も考えられてきました。当院では、不要な削りを回避するため、4つの削る治療を避ける努力をしています。
① 拡大鏡使用の精密治療
肉眼と比較し、5倍以上の視野を確保できるのが歯科用拡大鏡です。患部が見えるということは、健康な歯と虫歯組織の境目を厳格にとらえることができますので、無駄な削りを回避することができます。
② 予防歯科の徹底周知
歯が細菌などに侵される前に歯のクリーニングを実施すれば、そもそも歯を削る必要も生じなくなります。このため、当院は各患者さんに定期検診などをオススメし、歯医者さんでの歯のクリーニングを習慣づけていただくようにご案内しています。
③ 根本的な歯科治療
今痛みが生じている虫歯にだけ対処する「モグラたたき方式」であれば、次から次へと最小限の削りで対処しても、総合的にたくさん削ることになってしまいます。これを回避するため、当院では、お口環境全体の根本治療として、この先虫歯になりそうな箇所へも処置し、将来の削りリスクを事前消去しています。
④ MTAセメントでの神経保存
MTセメントと呼ばれる歯科用薬剤で患部に蓋をすれば、その滅菌力で虫歯菌を不活性化させることができます。これにより、虫歯菌の侵食部位を極力削らず、神経も残せるという理想的な保存治療が実現できます。どちらかと言うと、初期や中期の虫歯侵食に対して有効な場合が多い治療法です。
左上の5番に虫歯で穴が開いていました。しかしながらうっすらと隣の歯も黒く見えます。
隣の歯も内部が虫歯になっていました。虫歯は歯の表面だけでなく内部でも発生、拡大していきます。
虫歯組織のみを染め出して削る箇所、削らない箇所を視覚化し、「削りすぎ」を防ぎます。
虫歯組織のみを除去できました。隣の歯の内部虫歯に関してはご本人は気づいておられませんでした。内部虫歯は見た目にわかりづらいので、定期検診でしっかりチェックして早期治療を行うことが大切です。
歯の隣接面を補修するためにメタルストリップスを入れて、Vリングという特殊な器具で形成の準備をします。
形成準備が整ったら、歯科用プラスチック(コンポジットレジン)にて形成して治療完了です。詰め物ではなく、できる限り削る面積の少ないレジン充填で形成するよう心がけております。
歯が抜けてしまった後の人工物(インプラントやブリッジ、入れ歯など)では、天然歯と比較し、どうしても噛む機能や審美性で見劣りが出てしまいます。やはり天然歯に叶うものはありませんので、最後の最後まで天然歯を維持すべく、当院では次のような4つの方法を取り入れています。
① 自分の歯の移植(自家歯牙移植)
お口の中に親知らずなどが残っている場合、そのご自分の歯を移植するという治療が実施できる場合もあります。このため、当院では歯が抜けてしまった患者さんの歯の治療に際しては、まず第一に「自家歯牙移植」の可能性を検討させていただきます。条件が整えば、お体への馴染みでもベストな天然歯で噛み合わせを復元することが可能になります。
② 拡大鏡を用いた精密根管治療
重度虫歯の治療では、歯の根っこ部分を徹底的に滅菌処理する必要があります。これを根管治療と呼びますが、根管内は暗く細く小さな組織になりますので、視野を広げて患部をとらえないと精密な治療は行えません。当院は、拡大鏡を駆使して根管治療の精度を高めていますので、虫歯の再発リスクを低減させ、将来的な抜歯リスクも回避しています。
③ 歯の再植術、歯根端切除術にも対応
「歯の再植術」は、一度歯を抜いて細菌感染部分を取り除き、再度元の箇所に戻す治療法です。また「歯根端切除術」は、歯茎の方から切開し、歯根の病巣箇所の切断を行なうような治療法です。いずれも、頻繁に行われるような一般的な歯科治療ではありませんが、このような治療も実施しながら、当院ではできる限り天然歯を残す方法を追求いたします。
④ 将来を見据えた根本治療
痛みが出ている箇所への対処療法でなく、そもそもお口環境でどのような問題が生じているのか、その本質的な原因を突き止めて根本治療することが大切です。例えば生活習慣などのヒアリングからも、将来虫歯や歯周病にかかるリスクなどがある程度想定できます。当院は、このような部分への改善にも働きかけ、まだ見えない抜歯リスクも取り除いています。
歯の根っこ部分の「根管」と呼ばれる箇所には、血管や神経が細かく入り組んでいます。虫歯がひどく進行していくと、この根管箇所にも細菌感染が起こってしまいます。歯を抜歯せずに維持させるためには、神経を切除し、根管内の虫歯菌を徹底的に死滅させて、無菌状態で患部を完全封鎖する必要があります。この根管治療は高度な技術を要しますが、当院は歯科拡大鏡を駆使し、精密な根管治療を行なうことで、再発リスクを低減させています。
歯の根っこの神経部分が細菌感染してしまっている時に実施します。軽度、中度の虫歯では必要ありません。
神経の切除後、リーマ―やファイルと呼ばれる専用器具で細く暗い根管の内部を徹底的に掃除します。
虫歯菌を死滅させるために、根管内に特殊な洗浄剤を流し込み、根管内を滅菌します。
MTAセメントと呼ばれる滅菌作用もあるセメント剤を根管内に流し込み、無菌状態で密封します。
MTAセメントが固まった後、被せ物の土台を作成し、無菌状態を維持して封鎖します。
銀歯やセラミックなど、被せ物を土台の上にぴったりと合わせ、歯の機能回復を図ります。
根管内は非常に細く、また湾曲して入り組んでいるために肉眼でとらえて処置することは不可能と言えます。特に奥歯ともなると、詳細に患部をとらえることが困難になり、根管内を完全に無菌化して封鎖するにはかなりの技術が必要となります。
このため当院は、歯科拡大鏡を駆使し、適切に視野を確保しながら、粘り強く徹底的に根管内の滅菌処理を施します。虫歯の再発リスクが減ることで、未来の抜歯の可能性も抑えることができます。
梅本歯科医院では、痛みを抑えた虫歯治療が可能で、天然歯を極力削らず、抜歯を回避することにもこだわっています。精度の高い根管治療を実施し、再発リスクも抑えられた理想的な虫歯治療をご提供しています。お口環境への負担が少ない、痛くない虫歯治療をお求めの方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。