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慮る(おもんばかる)

私の好きな言葉の一つです。

 

いつもスタッフやドクターに勉強会などで話をする時によく使うフレーズの一つです。

 

我々医療従事者は患者さんの事を考えてあげなくてはいけません(当然ですが)

 

でもただ考えるだけならば誰にでもできます。

 

考えるだけでなく思慮することが大事です。

 

そして一歩でも患者さんの奥底にある悩みや苦しみ。

 

そこに一歩でも近づくことが大事な事です。

 

変に患者さんのプライバシーに入ろうというのではなく、こういう心構えが患者さんの診断の一助ともなります。

 

最近、この患者さんの身近に何か普段と違う変化がなかったかどうか?

 

例えばご自身の件、ご家族の件、周りの社会的要件の変化など…

 

そう言う事が起因して病状を引き起こしたり、悪化させていることも良くあります。

 

それにそんなことが無かったとしても、お話を聞いてあげる事。

 

それだけでも時には治療の意味を成すことがあります。

 

ですから次の患者さんがキャンセルになった時(皆さん真面目に時間通りに無断キャンセルすることなくお出でいただいておりほとんどないのですが)などはこれをチャンスと掴まえて(とらまえて)じっくりといろんな話をして差し上げます。

 

そういう時は自分が患者さんだったら何を聞いてほしいか、どう応えてほしいかを考えて根掘り葉掘り聞いてしまいます。

 

そういう時にこの「慮る(おもんばかる)」事をベースとして、相手の事をただ考えるだけでなく、思いめぐらして、患者さんの状況をよ~くよ~く考えるようにしています。