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初めての?往診

昨日の事ですが初めての?往診へ行ってきました。

 

梅本先生は忙しいので往診なんかしている時間が無いから初めてでしょう、という声が聞こえてきそうですが私は頼まれればいつでも往診へ行っています。

 

ただ残念ながら平日は夜9時まで診療していることが多くて、名目上の休診日である木曜日(ほとんど木曜日も診療しているのですが)や日曜祭日に往診に言っています。

 

ではなぜ始めてかというと、今日は「摂食嚥下」の往診に行ってきました。

 

患者さんは90歳で肺の病気があります。

 

近隣の中核病院でその診断を受けられ主治医は「誤嚥性肺炎」の恐れがあるとお考えになったのでしょうか、ソフト食でしか食事をしないように言われたそうです。

 

ご本人様は食事をしても1時間後には空腹感を感じる。

 

これが主訴でした。

 

 

 

奥様からソフト食ではダメなので食形態を上げたいというようなご希望がありました。

 

でも食形態を上げても空腹感は変わるはずがありません。

 

何故なら摂取量が同じなのですから。

 

ほとんど寝たり起きたりのご主人様を連れて当院へ来たいというお申し出がありましたが、即座にお断りをして往診に行く旨をお伝えしました。

 

理由は当院に来ていただいて仮に食事をしていただいても、普段どういう姿勢でどういう高さのテーブルでどのように食べているのかがわからないと摂食指導はできません。

 

お伺いして拝見しましたところ、患者さんのご希望は食事の量ではなくやはり食形態にありました。

 

完食するんだけど食べたすぐ後に「今俺飯食ったけ?」と感じるという事です。

 

これはソフト食が軟らかすぎて「食感」が無いために脳が食べたという信号を送らない為に起こる、一種の妄想状態と考えました。

 

ご主人様と奥様に細かくご説明をして食形態を少し上げてみようという事になりました。

 

ただ肺疾患がありますので「不顕性誤嚥(むせなくても実際には誤嚥している状態)」の恐れがある事も十分にご理解を頂いたうえです。

 

この治療(説明)に約1時間をかけて帰ってきました。

 

今更ながら摂食嚥下の勉強をしてきたこと、月に1度特養へ行かせていただいていることに感謝でした。