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珍しい不正咬合について

不正咬合という言い回しが妥当であるかどうかいつも疑問に思うところであるが、それ以外のいい方が学会を通じても一般臨床医にもないために、私も止む無く使っているだけの事である。

 

「不正」という文言は何か悪いことをしたかのような事を連想させるのでいつも使いづらさを感じつつも不本意ながら患者さんに使っている。

 

また「不正」の反対が「正常(正常咬合)」と言うところも日本語の文法的に正しいのかいささか疑問の余地があることは否めない。

 

本論に入りますが前歯と奥歯(第1大臼歯)が正常な噛み合わせでいながら、途中の奥歯(小臼歯)が左右共に全くかみ合っていない患者さんが来られました。

 

治療する必要性は我々専門家(矯正の専門家という意味でなく歯科の専門家という意味ですが)からするとかなり高いと感じました。

 

しかしながら先述のように俄か矯正医の為に、ご父兄から「なぜこのような噛み合わせになってしまったのか」という質問には閉口せざるを得ませんでした。

 

通常のよくある不正咬合ならばある程度の原因論も憶測を交えつつもご説明できるのですが、ほとんど見たことのないような噛み合わせの状態を示されてもなかなかお答えに困窮することもたまにはあります。

 

幸か不幸かご本人様もご父兄の方も矯正治療のご希望が無かったので、結局そのままという事になりました。

 

町医者は専門医へ依頼するか自院で治療をするかの関所のようなところではありますが、なかなかいろんな治療の隅々まで網羅することは難しいと思いました。

 

結局は私の勉強不足を痛感させられた今日の症例でした。

 

反省(._.)