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義歯で食べられるか?

義歯で食べることが出来るかという事を考えている患者さんは少ないです。

 

特に今義歯を入れていなくてある程度食べられる方は、まさか自分が義歯を入れることになるなんて…

 

そんな事で患者さんは今現在に苦労が無くて痛みもない状態をいい状態と評するわけです。

 

でも多くのケースで歯周病などの病状は進行しています。

 

これをSilent Disease(沈黙の病気:知らない間に進行していく病態のこと)と言います。

 

今日も進行した歯周病の患者さんが来られました。

 

初診時に拝見しますとお口の中は数百万円をかけたような素晴らしいセラミックスの歯がずらりと並んでおり、一見して見事にきれいな作られたお口でした。

 

でも不幸なことに60歳ではありますが、右下の歯ぐきが腫れていたいという事で来院された方です。

 

お薬で症状は緩解しました。

 

このままだと抜歯をして入れ歯になるので初診時に食生活習慣などをご指導申し上げましたが、やはり心底話は通じていなかったようで入れ歯について再度あまり噛めないという事を事例を挙げてお話してやっとご理解いただけたようでした。

 

ご本人は私の周りでは入れ歯でいろんな物を食べている方がおられる、と言われましたが、やはり入れ歯は入れ歯。

 

いろんな物をたべているように傍から見えても、実際はご本人はかなり苦労をしどれが食べられるか、そうでないかを考えつつ食べていることをお話ししました。

 

このように一つ一つ噛み砕いてお話をしないと本当の歯の大切さをご理解いただけないのが実情です。

 

でもこれが我々に課せられた使命。

 

これからもしっかりと説明義務を果たしていきたいと思います。