またまた入れ歯の話です。
今日来られた77歳の患者さんは総入れ歯をご希望で来られました。
上の歯はまだ9本、下の歯も9本くらい残っています。
患者さんは「もう歯なんてどうでもいいから面倒なので歯医者さんに行きたくない」という事でしばらく放置されていました。
拝見しますと確かにいろいろと問題があり、残っている歯も抜かないといけない歯やグラグラになっている歯などがあります。
下の義歯は入れていますが上の義歯は最初に作ってもらった歯医者さんで入れてみて、これはだめだと思ったから一度も入れていないという事でした。
主訴は上の前歯の5本ブリッジがぐらついて、傾いているので上の歯を全部歯を抜いて総入れ歯にしてほしいという話でした。
当然のことながら拒否しました。
患者さんは総入れ歯にすれば、面倒くさくない(あっちこっちの歯が虫歯になったり、歯周病にならないのでそれで死ぬまでいけるので)という事でした。
この話には無理があることがお判りでしょう。
だって部分入れ歯すらいれられない患者さんが総入れ歯を入れておくことが出来るでしょうか?
もし仮にそうしたとして入れていられないという事になると、今現在はぐらぐらして曲がっている5本ブリッジであっても前歯が無くなり入れることのできない総入れ歯を作られたら、前歯なしで街を歩くことになります。
とても聞ける話ではありません。
しっかりと30分以上をかけてご説明しご理解を頂きました。
患者さんにご理解を頂くという事は、なかなか難しいものですね。