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歳を取っても歯がたくさんあるという事の功罪

歯は抜かない方がいいという事は常識です。

 

我々歯科医はいかには緒抜かずに少しでも保存ができないかをいつも模索しています。

 

しかし最近思うのですが、多くの歯が残っているご高齢の患者さんが来られた時にその多くの歯が虫歯になっていることが良くあります。

 

すなわち高齢者の虫歯です。

 

この特徴は歯頚部という歯と歯茎の境目が茶色い色を呈していることがほとんどです。

 

ただこの虫歯の特長はその虫歯が輪っか状になってぐるりと歯の周りをむしばんでいる状態なのです。

 

またその虫歯はかなり神経に近いところまで及んでいることが多く、神経の処置をせざるを得ないことがあります。

 

生まれてから使っている歯(永久歯は6歳以降に生えてきますが)が、70年も80年も使っているとその歯質は当然衰え、外的な刺激に対して防衛反応が十分に起こらず、虫歯に侵食されてしまうという状態なのです。

 

大事なのは歯磨きですが、意外にもこういう場合はフッ素塗布が有効なことが多いです。

 

本来フッ素は生えたから2年以内が一番有効とされていますが、こういう使い方もあります。

 

沢山の歯が残っておりなんでも噛めると自慢していた方がある日突然歯が折れたと言って来られることもあります。

 

定期的な受診が大事かと思います。