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噛み合わせの調整の難しさ

噛み合わせと言うのがあります。

 

もちろん上下の歯を噛んだときにどこが噛んでいて、どこが噛んでいないかを診るものです。

 

ところがこのわずか30ミクロン(1000ミクロン=1mm)すなわち0.03mmの紙についた跡だけで、いろんな症状や病気を類推しなくてはいけないのです。

 

これが大変、難しい作業となります。

 

先日来られた方はお作りしたブリッジの奥歯がやや高いという事で噛み合わせの調整をしましたが、どう考えてもそのブリッジのその奥のご自身の歯だけがその噛んだ跡があるのですが、ご本人は作ったブリッジが高いと言われる。

 

止む無くブリッジを少しづつ削って行ったところ、最終的にはやはりご自身の歯が高かったことに気づかれ、再製作となりました。

 

また他の方は作った金属が低いということで少し高めに作り直して、少しづつ削り始めたところ、その30ミクロンの紙が全く当たっていなくて跡が全くないのにその場所が高いと言われる。

 

患者さんにお見せしたのですがやはり跡のついていないところが高く感じるという事で、患者さんのご了解の上で全く跡の無い所を削ったところ、ちょうどよくなったと言われる。

 

もうここの領域に来ると「咬合紙」という存在は不要なのではとさえ思えてきます。

 

こんな状況で毎日応用問題を患者さんに与えられ、日々葛藤しています。

 

若干愚痴っぽくなりましたが、歯医者も苦労していることをご理解ください。