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痛くないとは悪くない事ではない

患者さんはよく言われます。

 

痛くありませんと。

 

でも痛くなくても悪い時があり、痛くても悪くないときがある。

 

ですから診断は難しいです。

 

血液検査などでも数値が「標準値」なるものを超えていると悪いので薬を塗んだ方がいい、という話になりますが果たしてそうでしょうか?

 

何でもかんでも人間の体を一つの箱の中に入れて、そこからはみ出せばすべて異常であるという判断はいかがなものかと思います。

 

毎日同じような症状の患者さんが来られるのでまとめてみます。

 

「昨日まではいたくなかったのに、急に昨日から痛くなった。」

 

これは昨日までが悪くなっていなかったのではなく、すでに予兆始まっていたはずです。

 

ですから昨日から急に痛みを感じたので、患者さんはその日がその原因の始まりと考えがちですが、病態はその以前から徐々に進行してきたという事がほとんどです。

 

ですから虫歯や歯周病は「慢性疾患」なのです。

 

痛くなくても症状が緩徐に進んでいることはよくありますし、若干腫れていても大きな問題はなくそのまま経過を見たほうがいいこともありますので、十分なる説明を求めていただければと思います。