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歯の破折の処置

歯が破折して来られる方が時々おられます。

 

歯が破折する理由としては、

 

①固い物を噛んだ

 

②歯ぎしりで歯が割れた

 

③老化現象として歯がもろくなって割れた

 

④神経が無い歯で噛んで割れた

 

などがあります。

 

今回の患者さんは④のケースでまだ中年の方ですが、イカを噛んで歯がカチッと言ってから痛いという事で来院されました。

 

拝見するに見事に歯の裏側(舌側)の歯が割れていました。

問題はその処置ですが、あくまでも歯を抜かないようにしたいのですが、ポイントはその破折した位置です。

 

この位置が歯ぐきより上であればほぼ100%抜かなくて大丈夫ですが、顎の骨よりも下で破折した場合はほぼ抜歯となります。

 

難しいのはその中間で破折していた場合です。

 

その時は歯茎を切ったり場合によっては一部顎の骨を削ったりして何とか抜かないように努力をするのですが、こればかりはやってみないとわかりません。

 

すなわち「出たとこ勝負」という事です。

 

今回もかなり微妙(結構厳しい)ケースですが、患者さんには十分にご説明して次回から治療に入る予定です。

 

今日は時間もなかったので、強力な接着剤を流し込んで一時的に歯が動かないように留めました。

 

もちろんこれは長期間持つものではなく、ま患者さんにはくれぐれも前歯で噛まないようにしてもらうという前提条件で行った処置です。

 

考察)

 

このように神経の無い歯はもろい為に出来ましたら当院ではかぶせ物を作るようにお願いします。

 

すなわち前歯ならばいわゆる「差し歯」と言われるものです。

 

もちろんこのようにかぶせれば割れることが無いという訳ではありませんが、割れるリスクはかなり軽減します。

 

歯の色を見ても茶褐色に変色しており、色だけでなく質の劣化も経年的には見られるので、なるべくならば歯を削りたくはないのですが、神経を取った歯のもろさと危うさを考えるに、致し方ないという事もありますので、皆さんもご一考いただければと思います。

 

次回の治療を頑張りたいと思います。