インプラントは大変いいものです。
しっかりと食べることが出来て、時には自分の歯以上にしっかりと噛めて患者さんに喜ばれます。
またブリッジのように他の歯を削ったり、入れ歯のように見える所に針金が付いたり、あれが食べられない、これが食べられないということも無く違和感もないという事で、時には自分の歯以上の存在とも思えることがあります。
しかしながら大敵がいます。
それは歯周病菌です。
歯周病は歯と歯茎が存在した時にしか発症しません。
ですから歯を抜けば歯周病は起こらないという理屈です。
では歯を抜いてインプラントを埋入するのですから歯周病は発症しないのでは?
ところがインプラントにも歯周病が起きるのです。
これを「インプラント周囲炎」と言います。
ではこれが起こったらどうするのか?
基本的にはインプラント体の周りをしっかりと洗浄して抗菌剤などを投与します。
ではそれで治るかと言うとなかなか治りません。
一度発症したらインプラント周囲炎は治る可能性は低いのです。
何故なら「歯は自己」ですが、「インプラントは非自己」だからです。
自分の体には自分の体だという事を認識する能力があり、感染などが起こったらそれに対して抵抗して治そうという働き「免疫反応」があります。
ところが非自己のインプラントに対してはその働きをしません。
ですから一旦インプラントに感染が起きると治らないことが多いのです。
ですからインプラントを埋入した方は出来れば3~6か月に一度は歯科医院にて検診やお掃除をしていただいたほうがいいと思います。